松田権六泥絵銘々盆 その他合作 10枚組

松田権六の泥絵を含む、東京漆芸協会会員合作蒔絵、六寸菓子皿です。

権六作品はさすがに手に入らないだろうと思っていましたので、大変に嬉しかったです。

またこの泥絵という技法も、日本画の顔料の金泥、銀泥を塗った漆が乾かないうちに漆に直接描き、定着させると言う、下絵も描けず、跡目もつけられない、本当に絵の力のある作家にしかできないと権六自身、自著「うるしの話」で書いています。

現に権六も昭和7年の「秋野泥絵平卓」とこの菓子皿ぐらいしか泥絵作品は残していません。

2006ー7年に国立近代美術館で開かれた「人間国宝松田権六の世界」では、泥絵の作品見本として、この作品を現人間国宝室瀬和美氏が借り受け、シンポジュウムを行ったそうです。そのため、この作品には室瀬氏の識書と、元箱は片方の桟蓋が壊れているのですが、オリジナルとしてそれは残し、室瀬氏から二重箱を頂いたそうです。

松田権六(1896ー1986)の経歴に関してはあまりに業績が多く、古い漆器の復元保存に尽力した事。権六以降の殆どの漆芸の人間国宝はその教えを受けている事。日展系の文化勲章、伝統工芸会系の人間国宝の認定の両方を持っていたただ1人の工芸家であり「漆の神様」と呼ばれている、等で判断して頂けたらと思います。

また素晴らしいエピソードとして、美校の卒業制作で当時の校長正木直彦氏から満点をつけられ「満点という点はあり得ない」と自ら点を下げさせたという逸話があります。

その他の菓子皿も当時の名工達の作品です。全て調べられませんでしたが判る範囲で書いておきます。

  • 松田権六(1896ー1986)蕨、泥絵。
  • 吉田醇一郎(1898ー1969)土筆、新潟市出身、植松包美に漆芸を学ぶ。
  • 三田村自芳(1886ー1979)露草、赤塚自得の一番弟子であり、江戸蒔絵の系譜を継ぐ。各美術館に作品収蔵あり。
  • 結城哲雄(1900ー1970)水仙、山形市出身、植松包美弟子、日展作家。
  • 河合秀甫(1890ー1981)菫、日展審査員。
  • 河面冬山(1882-1995)福寿草、美校漆芸科卒、六角紫水に師事。
  • 都築幸哉(明治期の漆芸家)菱草、美校卒,香道関連の漆芸を得意とした。
  • 太田自週 桜草。
  • 庄司芳真 花の名前判明せず。柴田是真の所定鑑定人。
  • 国本昇三 花の名前判明せず。
制作年
  • 1939年前後