鴻池造 ボール 明治期

鴻池の里帰り品は、このページの始めに載せた茶の花の茶壺の出来が あまりに素晴らしかったので、もう買う事はないと思っていましたが、このボールの細工の良さもまた捨てがたく、つい手を出してしまいました。

このように菊や桜を打ち出し、またその空間に花を彫りで施すのは 鴻池でも初期の作品と思われ、同手の取っ手つきのポットが Liberty of London, edited by Stephen Calloway の89ページと大原千晴氏の「食卓のアンティークシルバー」73ページにも Liberty & Co. の刻印と1896-7年の輸入刻印があると記述されていますので、日本で造られたのは明治中期頃と思われます。

槌目も大正、昭和初期の鴻池の作品よりかなり細かく、銀の重さも充分にあります。

制作年
  • 1896-7年頃
寸法
  • 直径: 13.5cm, 高さ: 7cm, 重さ: 270g