象牙針箱, Dieppe ivory, 1880-90年頃

フランス、ディエップ製の象牙の針箱です。古い象牙の針入れは大概が筒状で上をねじ式で開ける物が多いのですが、これは所謂「差箱」タイプで筒状の物より数段技術的に難しいと思われます。正直「フランス人でもこういう細工ができるのか」と思いました。(すみません!)

蓋のモチーフは薔薇、わすれな草、もう1つの花の種類は陶迷庵のMie様に「麦藁菊ではないか?」とご指摘頂きました。ありがとうございました。

手掛かりとして貝も1つ彫られており、横の部分も花篭のように彫られています。

なおディエップはフランス、ノルマンディーの港町で、象牙海岸から象牙が運ばれて象牙細工が盛んになり、逆に象牙細工の良いものは「ディエップ製」と言われるようになったようです。

制作年
  • 1880-90年頃
寸法
  • 縦: 7.5cm, 横: 1.8cm, 高さ: 1cm