切り嵌め細工 シガレットケース, 明治期

切り嵌め細工というのは銀などの金属に模様部分を切り抜き、そこに他の金属を切り抜いた形に嵌め込み、銀蝋でつなぎ合わせ磨いたものです。またその上に着色することもあります。

細かい模様など、非常に手間も技術もいりますので、今では殆ど造られていません。

地金を彫り込んで象嵌したものとの見分け方は、象嵌は表だけの模様ですが、切り嵌め細工は表と裏がまったく同じ模様になります。

さてこのシガレットケースですが、その切り嵌め細工の中でもこれほど繊細で可愛い模様は見たことがありません。

柳の細い枝まで切り抜いて嵌め込んだかと思うと気が遠くなります。またこの模様の可愛らしい事!!小振りですから女性用かと思います。

しかも驚いたのがこの可愛いシガレットケースは英国の銀器の老舗 Daniel Bexfield から購入したことです。英国のご婦人が愛用していたのでしょうか?奥様のお土産に日本から英国紳士が買って行かれたのでしょうか?こういう物が英国の銀器の老舗にあったと言うことは何となく嬉しいですね。

寸法
  • 縦: 8cm, 横: 6.3cm