カシミールショール古裂帛紗 18世紀
インド、カシミールショールの裂で作った帛紗です。表千家用の帛紗なので28cmx27cmあります。画像は四つ折りにした状態です。この古裂はカシミールショールのボーダーだけ残っていたものです。カシミールショールのカテゴリーで解説致しますが、インド手織りカシミールショールは古い物ほどボーダー部分のみの装飾、しかも小さなパルム、コーンなどと呼ばれる花の集合体が特徴で、後年の英国やフランスのカシミールショールのような全体がペーズリー柄ではありません。布はウールですが野性の山羊の冬毛を紡いで使うため、今のカシミア、パシュミナなどと呼ばれる生地とはまったく違います。織りはエスポリネと呼ばれる綴織りの一種で、裏も美しいのですが、帛紗に仕立ててしまった為、残念ながら見て頂けません。
武者小路千家、若宗匠千宗屋様にお箱書きをお願い致しました。
同じような古裂で古帛紗(16cmx15cm)も作りましたが
柄行、生地の感じから、こちらの方が若干古いように思われます。
参考文献
The Kashmir Shawl John Irwin VICTORIA & ALBERT MUSEUM 1973
カシミア・ショール 歴史とデザイン モクニ・レヴィーストロース 平凡社 1988
ペルシャ錦 ラヒム & ジョージ・アナビアン 校閲 山辺知行 京都書院 1975