絨毯は糸にパイルを結んで織り上げますがキリムは平織りの敷物です。
技法は日本では帯などに使われる綴れ織りと呼ばれる表裏のない技法です。
特徴として糸を引き返す時に発生する「はつり目」と言う部分が出ます。
画像の4枚目がそのはつり目をアップで写しました。お判りになりますでしょうか?
このキリムは100年以上前の旧称セネ、現在のサナンダジで織られた、キリムにしては非常に細かい織物です。
経糸は野繭から作られた絹糸が使用されており天然染料独特のアブラッシュと呼ばれる色むらが、美しく出ています。
この柄行きはビジャーに多い物ですが、これはセネです。
紺とこの茶の2枚がペアでありましたが、茶の方を求めました。
質、柄、風合い、未だにこれ以上のキリムは見た事がありません。
経糸も緯糸もシルクの物もありますが、比較的新しいもので織りも粗く、シルクだから高級とは言えない物が多いです。