Arts & Crafts Silver

Arts & Crafts の定義は難しく、日本でも意見は分かれますが、まず基本として
年代的にはジョン・ラスキンの影響を受けたウィリアム・モリスが
モリス商会を創設した1875年前後
(モリス&マーシャル商会の後と仮定します)
と考えて良いと思います。
また銀器に関しては、モリス商会に協力した 
C. R. Ashbee を中心に置える事が妥当だと思います。

アーツ&クラフツはラファエル前派とは非常に密接な繋がりがあり
画家や作家がまだ職人であり、自作にサインもしなかった時代に戻れ、と言う意味合いと解釈しております。
ですから銀器も打ち出しで作り槌目が残るのです。
ただここで最近私自身大変疑問を感じているのですが、リバティ社の物はアーツ&クラフツ銀器としても有名で、私のHPにもリバティ社の物は多数載せていますが、リバティ社は自社工房を持たない今で言う総合商社的な形態を当時は保っていました。ですから作りとしては、大量生産と言っても過言ではないものもあり、少々困っています。
また同じ様にアーツ&クラフツ銀器として著名なOmar Ramsdenの作品も、明らかに製作してから槌目をつけた物もあります。
カテゴリー的には Arts & Crafts silver ですが、そういった事も踏まえて見て頂ければと思います。