前出の愛らしいシガレットケースが淑女の持ち物ならこのシガレットセットはまさしく紳士、貴族の持ち物です。
このセットは持ち主の来歴がはっきり判っており信濃松代藩十代、最後の藩主真田幸民氏(1850-1903)の持ち物でした。
幸民氏は1891年に伯爵に任ぜられておりますからまさしく貴族の持ち物でしょう。何故かこの品と共に幸民氏自筆の土地の売買書、関連のお手紙なども頂きました、どこをどうやって 私の元に来たのか・・・アンティークというのは不思議なものです。
ただそういう事は関係なく、このストライプの正確さ精密さは同じようなストライプのものと比べてもやはり飛び抜けて素晴らしいものです。さすがに伯爵の持ち物です。
シガレットケース、ヴェスタケース共に18金でYSのイニシャルが入り、シガレットホルダーも18金と琥珀です。このダブルボックスになっているシガレットホルダーケースの内側はセーム革です。
いや・・・やはり昔の貴族はダンディな贅沢をしたのだなあ・・・とつい明治の紳士に想いを馳せてしまいました。
オリジナルボックスには 東京市京橋区尾張町 大西錦綾堂と書かれていました。