鴻池造りのティーキャディです。ティーキャディというより茶壺といった方がぴったりの物で、茶の花が一面にレリーフしてあります。
製法はさだかではありませんが、一度裏からある程度打ち出して、絞り成形してから表面を、英国のチェイシングの様にエンボスをはっきりさせ槌目で仕上げてあると思います。
実はこの説明はこのウェブサイトを作りはじめの頃の説明で「茶の花を手彫りで」と書いてしまったのですが、明らかに間違いで、基本は打ち出し技法だと思います。(彫りと打ち出し、型抜きはまったく違います)
茶の花という地味なモチーフから、輸出品ではなく、国内の注文品かと思われます。それが海外に流失して、また日本に帰って来たと考えるのが妥当でしょう。
展示されていた時、某美術館関係の方と思える初老の紳士がため息をつきながら眺めていたと言うお話しも納得できる出来の茶壺です。